医師 転職のモチベーションに与えてくれる効果
実際、相手に嫌われたくないからと、デートのときに屈をあれこれ迷う人がいますが、入ってみてまずかった以上に、あれこれ迷って決められないほうが、はるかに嫌われやすいものです。
まずかった場合は、「あそこの庖は評判倒れだったね、これからはやめておこう」で済むものだからです。
失敗も経験のうちだと思えば、失敗を恐れたり、損をしたと思わないで済みます。
つまり、「試しにやってみなはれ」的な「とりあえずの行動化」とは実は非常に大事なことなのです。
決断とは、「最高のものを一つだけ選ぶ」ことだけではありません。
むしろ、「やる、やらない」という選択が重要なのだと私は思っています。
「どれか絶対に正しい答えを選びなさい」という選択とは、少し違うと思うのです。
むしろ、「絶対」などないと考えるほうが、はるかに現実的です。
物事というのは、いろいろな考え方ができるものです。
もっと言うと「やらないよりは、やったもの勝ち」という側面もあります。
例えば、センター試験であれ資格試験であれ、試験には五者択一の問題がよく出てきます。
プロ野球の新庄剛志選手が、とあるテレビのクイズ番組で、選択問題が出たとき、エンピツを振って答えを出して、1000万円をゲットしたことが話題になりました。
これは「やったもの勝ち」のいい例でしょう。
迷いに迷ったあげく答えが出ないよりは、どれか1つにマルをつけておけば、ひょっとしたら当たる可能性がでてきます。
解答欄を白紙のままにしておくより、1つだけでもマルをしておくほうが、ましなわけです。
すなわち、「決められない」ということは、ただ単に「いろいろなことを試しにやるのがいけない、優柔不断だ」ということではありません。
そういう意味では、私のような仕事をしている人間に対しても、「あいつは、いろいろな仕事をしていて、まともに定職がない。
フラフラした人間だ」というふうに思っている人もいるかもしれません。
「専門性を持たないから、いつまでも大学の教授にもなれないんだ」というとらえ方をしている人もいるかもしれない。
ある種の「エキスパート」志向の人たちからみると、昔と違う、こういう私の仕事の仕方は奇妙に思えるのかもしれません。
特に役人の人たちは頑固にそう思っているから、私を審議会の委員に呼んだりはしないようです。
そういう古いタイプの人たちは、「このみち一筋」型の人聞をすごく評価するのでしょう。
役所に限らず、いまだに「何でも屋さん」は割と嫌われることがあり、どちらかというと低く見られるようです。
しかし、これからの世の中では「何でも屋さん」のほうが生きのびる可能性は高いと私は考えています。
例えば、医療保険の財政が苦しくなり、医者の仕事では食べられない世の中になっても、私は「教育の仕事で食べていける」と思っているので心配していません。
いまの世の中、医師の免状さえ持っていれば安泰だ、などと思っていたら、ひどい目にあう可能性が大きいのです。
だからさまざまなことを試す、そうして能力を伸ばしていくことは本当に大切だと思います。
「やったもの勝ち」と考えていこう。
「相手次第」になる引世紀これからの時代は、人が考えている以上に不確かな時代です。
現代人が決断する際に悩む心理は、私にはわかります。
多くの人は、不確かだからこそ、「これは確実」というものが欲しいでしょうし、できるだけ失敗はしたくないという心理が働くのだと思います。
現代は、さまざまな側面で「答えがない時代」に突入したと私は考えています。
せいち20世紀は経済学なら経済学という学聞が体系化され、理論が精般化されるとともに、原則的にものごとが理論どおりにいく(いかないとすれば、まだ学聞が十分に発達していないか、起こったこと自体が「例外」である)と考えられるようになった時代です。
「金融政策をこんなふうにすれば結果はこうなる」とか「この程度の公共事業を行えば、これくらいGDP(国内総生産)の伸びが期待できる」など、理論どおりにことが運ぶと考えられていました。
経済学に限ったことでなく、心理学者も心理実験を行えば、だいたい人間の心はわかるはずだというふうに、セオリーが信じられていたし、ある程度それが機能もしていたのです。
学者もその期待に応えるべく、勉強を重ねていきました。
そういう時代にさまざまな学問ができてくると、「こうなるはずだ」論というものが、どんどん力を持ってきます。
そして、「何でも専門家の話を聞きに行くのが正しい」と思われるようになったのです。
「こうなる」という答えを知っているのは学者の偉い先生であって、経済であれ心理であれ、学者の先生は答えを知っている偉い人、と思われるようになってきました。
あらゆる面で学者が政治やマスコミの世界で大きな力を持つようになったのです。
つまり学者が政治の強力なアドバイザーになり、またマスコミも何かあると学者の意見を求めるようになったというわけです。
ところが幻世紀になると、理論に合わない現実が出てきました。
学問が定説をつくっていくと、定説と違うことがたくさん出てくるわけです。
研究室での理論は理論として間違っていないけれど、現実世界は理論どおりに動かない。
世の動きには心理要因など、さまざまなことが絡むことも考えれば「複雑系」の考え方が強くなってくる。
情報も多様化してくるなか、権戚やメディアの言うことが正しいとは限らない、という時代になってきたのです。
ビジネスでいえば、初世紀はさまざまな意味で、成功モデルがある程度はっきりしていた時代です。
モノが足りない時代には、モノを確実につくってあげれば売れていました。
こういう時代には、人よりもたくさんモノをつくることができる人とか、人よりも安くモノをつくる能力があるとか、改善ができる、例えば100馬力の車を110馬力にできる、そういう要因が評価されていたのです。
これはひとえに作り手の側の要因でビジネスの成否が決まる時代と言えます。
思ったほど売れなくても、安くすれば売れたし、ちょっと改善したら売れたのです。
ところが、ひととおりモノが行き渡ってくると「わざわざ新しいモノを買いなおすかどうか」は別問題です。
100馬力の車が110馬力になったから、パソコンのWindows2000がXPになったからといって、必ず売れるわけではありません。
ここで、買うか買わないかは「買う側の心理」に左右されます。
その時点での、「この程度は性能が勝っているけれど、新たにこれを買い直す必要があるかどうか」という判断には、心理的な要因が大きくなってくるのです。
モノがない時代は、パソコンを持っていない人であれば、何かしらパソコンを欲しいと思うでしょうし、そういう人は、2000とXPを搭載した2種類のパソコンを前にしたら、問題なく新型のXP搭載モデルを買うわけです。
もちろん、値段の差で「前の型のほうが安いからいい」ということで決める人はいるかもしれませんが、少なくとも改良型を出したり、大量生産でより安くしたりすれば、持っていない人は、高性能のモノが欲しくなるでしょう。
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